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自家製そばつゆのレシピ | 2015-02-16T11:21:45+09:00 | false |
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このエントリでは僕が作っているそばつゆのレシピを詳細に解説する。 ここだけの話、もっと感じのよい文章が書けるようになったらクックパッドに投稿しようと思っている。
かえしの材料
材料と基本量
・醤油 100ml
・本みりん 20ml~25ml
・砂糖 17g~20g
「そば膳」または「本膳」、本みりんは角谷文治郎商店の「三州三河みりん」が特におすすめ。これらは一般的な醤油やみりんと比べて遥かに純粋な旨味が強いので、今まで本格的な調味料に縁が無かった人はきっと驚くに違いない。尚、多く作る場合は全ての材料を倍加していく。醤油の一升瓶または一斗缶の量に合わせて作る事が多いようだ。
かえしの製作
まず、醤油を鍋に注いで弱火で加熱しながら撹拌する。弱火で加熱する理由は温度管理のしやすさと急激な加熱により醤油が焦げ付く事を防ぐためである。 83度まで加熱したら火を止めて砂糖を投入し、さらに撹拌する。5分経過後に再度83度まで加熱する。その後、再び火を止めて本みりんを注ぐ。5分間放置した後に撹拌を再開し、83度まで加熱する。このように放熱と加熱を繰り返す理由は、かえしの品質を高め、旨味を引き出すためである。
かえしの保存
出来上がったかえしはしばらく常温で放置する。この際、埃の混入や蒸発を防ぐために鍋蓋等をしておく必要がある。ある程度かえしが冷めたら容器に移して最低でも1週間以上寝かせる。容器の口は布やキッチンペーパーなど一定の通気性が確保できるもので蓋をする。これには空気と盛んに接触させる事で「寝かし」を促進させる狙いがある。
保存容器は分厚いガラス瓶や常滑焼の壺などが推奨される。ペッドボトルやプラスチックなどは堅牢性と耐腐食性の面で信頼度が劣るので推奨しない。
下準備
そばつゆに用いる出汁には様々な種類があり、それらは地方や店によってそれぞれの特性を持っている。このエントリではどんこ、鰹節、宗田節、鯖節の4つを組み合わせた混合節の出汁について解説する。
まず、小ぶりなどんこを1個、水でよく洗ってから適当なサイズにちぎって300ml程度の水に漬け、最低2時間最長1日間ほど冷蔵庫に保存する。どんこからはグルタミン酸やイノシン酸とは異なる旨味成分であるグアニル酸が含まれており、そばつゆに豊かなコクを与えてくれるが、使いすぎると独特の臭みが出るので隠し味程度に分量を抑えなければならない。
どんこを規定時間漬け込んだら、これを1.4~1.7Lの水を入れた鍋に投入する。つまり水の量は1.7~2.0L程まで増える事になる。この水を最弱火で1時間以上かけて90度までゆっくり加熱する。その間に後述する節の分量を量っておくと効率が良い。
そばつゆの製作
ここまで読んで気づいたかもしれないが、本格的なそばつゆ製作にコストパフォーマンスなどという言葉は存在しない。ただ食べるだけなら良い蕎麦屋に通った方が遥かに楽で真っ当だろう。つまりこれは完全なる趣味であり、調味液を作るという原初的な喜びを得るための行いなのだ。
さて、本題に入ろう。
1.7L~2.0Lの水に対して以下の分量の節を使用する。
鰹節:60g
宗田節:20g
鯖節:20g
これらは全て厚削りでなければならない。 運が良ければスーパー等で手に入る場合もあるが、基本的には「伏高」などの専門店から購入する事になるだろう。
90度まで加熱したどんこ水(湯?)を一度強火で完全に沸騰させ、そのまま全ての節を投入する。そうすると大量のアクが発生するため、それを懸命に取り除かなければならない。2分間ほどであらかたアクは無くなるので、弱火に落としてさらに40分間煮出し続ける。この際の火力は僅かに気泡が発生する程度が望ましい。
40分経ったら出汁を濾してかえしと3:1の割合で合わせる。これを鍋に再び鍋に移して以下の要領で加熱する。
1.85度まで弱火で加熱する。
2.5分放置する。
3.再び85度まで加熱する。
4.5分放置する。
5.再度85度まで加熱する。
加熱が終了したら直ちに密栓可能な耐熱ガラス瓶にそばつゆを入れて冷蔵し、一晩寝かせる。この場合は確実に密栓しなければならない。 以上の手順が行われていれば約一週間は安全に保存できる。
余ったかえしやそばつゆの活用例
味付け煮玉子
剥いたゆで卵をそばつゆに浸して冷蔵庫で最低一晩以上寝かせると味付け煮玉子なる副菜が勝手に出来上がる。これは市販のそばつゆでも可能だが、それよりも遥かに上品で料亭のような味わいになる。
煮物の調味料
煮物の味付けは一部の例外を除いてかえしの材料と全く同じ調味料で行われている。 水に対して10分の1~8分の1程度の量のかえしと適量の砂糖を加えるだけで極めてコクのある煮物が出来上がる。
このような不経済的手段で行う生産活動は実に楽しい。