riq0h.jp/content/post/自動車環境改善Ⅰ.md
Rikuoh dc95d8ec62
All checks were successful
ci/woodpecker/push/woodpecker Pipeline was successful
fix
2023-10-30 08:04:21 +09:00

47 lines
7.2 KiB
Markdown
Raw Blame History

This file contains invisible Unicode characters

This file contains invisible Unicode characters that are indistinguishable to humans but may be processed differently by a computer. If you think that this is intentional, you can safely ignore this warning. Use the Escape button to reveal them.

This file contains Unicode characters that might be confused with other characters. If you think that this is intentional, you can safely ignore this warning. Use the Escape button to reveal them.

---
title: "自動車環境改善Ⅰ"
date: 2023-10-29T20:43:40+09:00
draft: false
tags: ['diary']
---
![](/img/216.png)
見ての通り、変速機のシフトケーブルが破断した。元々が中古の貰い物ゆえこのような事態に陥ることは早晩目に見えていた。さっそく修理に取り掛かる。当初は変速機ごと取り替える予定でいたが、装着の都合上グリップも変えなければいけない手間から今回は見送った。
修理には[ワイヤーカッター](https://www.amazon.co.jp/dp/B001RW8WGE/)なる工具を使う。聞けば、ニッパーでは潰れがちな切断面を美しく仕上げてくれるすごいやつだという。まだ使いもしないうちから意味もなく部屋で開け締めをして謎の充実感を味わう。この感覚は新しい工具でしか得られない独特なものだ。同時に届いた交換用のアウターケーブルとインナーケーブルを外に持って行く。
変速機から伸びているケーブルにはアウターとインナーがあり、車体からはみ出る箇所がアウターケーブルによって防護される形になっている。特に変速機から車体に向かって垂れ下がる部分はハンドルの切り返しで頻繁に湾曲するため、こういった措置を施さなければすぐに摩耗してしまうらしい。恥ずかしながら僕は元からそういう一体型のケーブルなのかと思っていた。
設計上の理屈を知るとニッパーではなくワイヤーカッターが求められる事情が見えてくる。一体型のケーブルでないならアウターケーブルの中にインナーケーブルを通さなければならない。つまり、もし切り取ったアウターケーブルの切断面が潰れていると大いに困る。別のケーブルなんて通しようがない。だからきれいに切断できるワイヤーカッターが必要とされる。なるほど、納得の理由だ。
だが、ワイヤーカッターで切り取った切断面はなんだかんだで結局潰れた。**おい、話が違くないか?** 面をつまようじでほじったら無事に開通と相成ったが、疑念は残る。さしあたり「ニッパーで切るともっと潰れる」との仮説を立ててワイヤーカッターの擁護を試みるも、この後に切った3本ぶんのアウターケーブルはやはり全部潰れた。今回の修理における最大の功労者は明らかにつまようじである。
変速機から古いインナーケーブルを外すのにもだいぶ手こずらされた。以下の写真を見てもらえば判るが、先端に謎の部品がついていてどうにも抜き取れる気配がない。他に分解できそうな箇所もない。調べると「分解できない仕様の変速機でインナーケーブルの切除を誤ると本体ごと取り替えるしかなくなる」といった脅し文句がスマホのディスプレイ上に踊る。
![](/img/217.png)
どばっと冷や汗が出てきた。Webページに写っている変速機は僕のとは違う製品に見えるが、もしかするとこいつもそうなのか 僕はなにか手違いを起こしていたのか くそっ、変速機の本体は5000円弱ぐらいするんだぞ。それにグリップだって替えないといけない。望んだ出費なら喜んで支払うが自分の失敗で余分な金を払うのは業腹だ。おいっ、なんとかなりやがれ貴様ッ。
そんなやけっぱちの態度でラジオペンチを使って謎の部品を引っ張ってみたところ、 **驚くほどあっさり抜き取れた。** なんだ、そういうやり方でいいのかよ。早く言ってくれ。以降の修理は割とスムーズに進んだ。元のケーブルの位置関係を予めスマホで撮っておいて、その通りに張り直すだけだ。ブレーキケーブルは健在なので色合いが白と黒で対照的になった。
![](/img/218.png)
![](/img/219.png)
さて、真の整備の難しさはここから始まるはずだった。変速機周りをいじった後はディレイラーの調整をしなければならない。簡単に説明すると、変速を入れた際にちゃんと想定通りにギアが噛み合うか確認を行う必要があるのだ。さもなければ一回のギアチェンジで2速ぶん切り替わったり、逆に一切切り替わらなかったりなどの不具合に見舞われる。
しかし、ディレイラーの調整には極めてアナログ的で繊細な試行錯誤が要求される。特定の部品のねじを緩めて、変速を入れて、合わなければ締めて、変速を入れて、合わなければ緩めて……基本的にはこの繰り返しだ。僕のクロスバイクはフロントが3速、リアが8速なので計24通りの検証がいることになる。はっきり言ってめちゃくちゃ面倒くさい。
結論から言うと、僕は今回これをやらずに済んだ。店に丸投げした……のではなく、 **たまたま近くを通りかかった自転車にむっちゃ詳しいおっさんが全部タダでやってくれたのである。** 嘘じゃないぞ。マジで本当だ。なので誠に遺憾ながらこの分野について書ける内容はなにもない。だって僕は横でのんびり眺めていただけだからな。
おっさんは「見てたからだいたい要領は掴めたでしょ」と飄々と言ってのけたが、もちろん解るわけがない。本来、手を動かして学ぶべき工程を学ばなかったツケは必ずついて回る。変速機の調子がおかしくなるたびに自転車に詳しいおっさんがどこからともなくスポーンするなら別だが、そんなうまい話は基本ありえない。
おっさんは他にも携帯空気入れのおすすめ(今は電動式がアツいらしい)や工具に関するうんちく(ラチェットレンチが一押しと言っていた)などをひとしきり語った後、素人でもひと目で判るほど魔改造された自転車にまたがって風のように去っていった。おっさん、マジでありがとう。次は自分で頑張ってみるよ。
## おまけ
![](/img/220.png)
後日、キックスタンドも取り替えた。元々ついていたやつは走っている最中に地割れ並の騒音をガタガタ鳴らして行き交う人々が全員振り返るほどだったので地域環境のために交換せざるをえなかった。2000円もしない中華製だが、2点保持が効いているおかげかまったく音がしなくなった。変速機も完全に機能していて、だいぶオンボロ感は払拭されたと言っていい。
以前に荒川サイクリングロードを攻めて葛西臨海公園まで行った時はすでに変速が使えなくなっていたので少々疲れたが、最近、ほぼ同じ距離の北浦和-柏間を往復した際はさほど疲れずに走ることができた。今回の整備の成果に味をしめて今後もちまちまと自転車環境を改善していくつもりだ。