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”一九四七年十一月七日。昨月の今頃はあんなに暑かったのに、このところめっきり冷え込んできました。同じドイツでもミュンヘンとケルンでは少し調子が違うようです。ブリュッセルのお空模様はいかがでしょうか。本当はすぐにでも空を蹴って会いにいきたいのだけれど、あいにく今の私は上官の許可なくしては男の人の背丈より高く飛ぶことも許されていません。でも、管制官が仰るには戦争でもっと功績を立てれば、どんどん偉くなって、したいことがなんでもできるようになるそうです。”
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”一九四七年十一月七日。昨月の今頃はあんなに暑かったのに、このところめっきり冷え込んできました。同じドイツでもミュンヘンとケルンでは少し調子が違うようです。引っ越して三年が経とうとしているのにまだ慣れていません。ブリュッセルのお空模様はいかがでしょうか。本当はすぐにでも空を蹴って会いにいきたいのだけれど、あいにく今の私は上官の許可なくしては男の人の背丈より高く飛ぶことも許されていません。でも、管制官が仰るには戦争でもっと功績を立てれば、どんどん偉くなって、したいことがなんでもできるようになるそうです。”
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チーン、とタイプライタが鳴り、ハンマーが紙面の端に到達したことを知らせてくれる。一旦、タイピングを止めて手探りで本体のレバーを引っ張り、改行する。
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”それにしても、まだ子どもの私が「上官」とか「管制官」とか言って、言葉にしてみたらずいぶんおかしい話に聞こえるでしょうね。今の私はなんでも中尉なんだそうです。私よりたっぷり何フィートも大柄な男の人たちが、前を歩くとさっと右、左に避けてくれるのが分かります。姿は見えなくても足音でだいたいどんな背格好なのか分かりますから。”
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チーン。また、音が鳴った。再びレバーを引いて改行する。
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なんだか今日は人に手を引かれてばかりだ。
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風が頬を撫でつける空白の時間の後、彼女の足が止まった。「身分証を」という端的な男の人の声に応じて、私も鞄から身分証明書を取り出す。直後、男の人の声はうわずり「どうぞお通りください」と丁寧な物腰に変わった。
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基地の建物内に入ると足音がかつかつと硬質な響きになった。辺りは騒然としていたのにリザの歩みは管制官のいる部屋に入るまでもう止まらなかった。それで私もするべきことが判った。両足をこつんと合わせて直立不動の姿勢をとり、敬礼をした。
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「よし、さっそく国土を汚す敵を駆逐してくれ。私、アルベルト・ウェーバーSS特別管制官大佐の権限により、魔法能力の発動を許可する」
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「よろしく頼んだぞ。私、アルベルト・ウェーバーSS特別管制官大佐の権限により、魔法能力の発動を許可する」
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「はっ」
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ほどなくして私たちは風が強まる夕暮れ時の滑走路に姿を晒した。背中に角ばった無線機を背負って、服はドレスを着ている。あの日、血だまりの中に座り込む私に、管制官が「ご褒美になんでも一つ叶えてあげよう」とおっしゃったので「いつもきれいなお洋服を着たい」と答えたのがきっかけだった。収容所ではいつもボロ布しか着させてもらえなかったから。
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訓練中に散々聞かされた我が軍の誇るアラドやフォッケウルフの勇ましいエンジン音とプロペラのうなり声が私を鼓舞させる。一分と駆動音を聞かないうちに、左右に並ぶ戦闘機の一つ一つの形状や位置関係までもが、実に鮮明な白線の網目で描き出された。
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果たして匂いの元はそこにあった。ぺたぺたと店先を手で触って確かめると、ガラス張りのようだった。
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「わあ、ショーウインドウにチョコレートが飾られているわ」
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やや遅れてついてきたリザちゃんが素直に驚きの声をあげた。それを聞いて、私も驚いた。ベルギーではチョコレートをお洋服みたいにお客さんに見せているんだ。
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「ノイハイス、ベルギー王室御用達、一八五七年創業」
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「ノイハウス、ベルギー王室御用達、一八五七年創業」
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店先の看板かどこかに記されているのであろう文字を彼女が読み上げた。すごい、すごい。ベルギーでは王様も王女様もチョコレートを食べているんだ。それなのに、独り占めしないでこうやって街に店があって、ブリュッセルの人たちはみんなこのチョコレートを食べている。
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「入ろう、すぐお店に入ろう」
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珍しくリザちゃんの手を引っ張り、片方の手をガラスの上でなぞってドアノブを掴んだ。が、しかし、開かなかった。
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「この街はもう、敵に占領されようとしているんだわ」
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M26重戦車。
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敵国アメリカ合衆国の主力戦車が奏でる悪魔の調べだ。
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ごく数秒の間隙を置いて、それは主砲をまっすぐと私たちの方に傾けた。
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リザちゃんが私の身体を抱きしめて空中に退避した直後、入れ替わりに砲弾が風を切って真下を通り過ぎた。背後で耳を突き破る爆発音がして空気をびりびりと震わせた。空中で自立した私は直ちに戦闘態勢をとった。手のひらに込めた光の源を目標に向かって解き放つ。
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約一分の長くて短い間隙を置いて、それは主砲をまっすぐと私たちの方に傾けた。
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リザちゃんが私の身体を抱きしめて空中に退避した直後、入れ替わりに砲弾が風を切ってすぐ真下を通り過ぎた。背後で耳を突き破る爆発音がして空気をびりびりと震わせた。空中で自立した私は直ちに戦闘態勢をとった。手のひらに込めた光の源を目標に向かって解き放つ。
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精細に模られた白線の戦車に鋭い凹みができた。続いて、リザちゃんの魔法も突き刺さり、醜くひしゃげた重戦車はのろのろと後退をはじめる。とどめを刺すために追いすがる私たちはしかし、戦車が通りの十字路で停止したところで相手の意図を察知した。
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両脇の建物の角からわらわらと現れた一個小隊規模の随伴歩兵たちが、雨あられの銃撃を浴びせてきた。間一髪、私たちは回避運動をとって被弾を最小限に抑えた。それでも脚とか、肩のあたりにじんじんとかすかな鈍痛を感じた。
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この間に戦車は後退を成功させて建物の後ろに逃げ込んでいった。追いかけようとした私の腕をリザちゃんがむんずと掴む。「だめよ! 絶対に狙撃される」「みんなまとめてやっつければいい!」「だめ! 絶対に被弾するわ!」
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前線を離脱してケルンのお家に逃げ帰った私たちは、急いで乱れた髪の毛を整えて格好を取り繕った。予想通り、かすかな鈍痛が残る箇所には穴が開いていたけれど、幸いにも9mmパラベラム弾だったのでさほど悪目立ちはしなかった。もし.45ACP弾だったらリザちゃんにお裁縫をお願いしないといけなかったかもしれない。
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あわてて外に飛び出すと、顔に当たる太陽光の角度で夕方に近づいている様子が分かった。こないだよりもさらに早い足取りで突き進むリザちゃんに引っ張られて、基地までの道のりを走るようにして歩く。煙臭いケルンの街にはもう行き交う人々の軌跡は描かれない。チョコレートを奪おうとした男の子たちも、会社に急ぐ男の人も、かつかつとハイヒールの音を甲高く鳴らして白線を泡立てる女の人も、めっきり映らなくなった。
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「身分証明証を」「はい」「失礼しました、どうぞお通りください大尉どの」前回よりほんの少し待遇が良くなった手続きを矢継ぎ早に済ませて基地の中に入り込む。大股で歩く大柄な男の人たちが次々と、どんなに広い廊下でも壁にぴたりと背を向けて敬礼を送る。私たちが先に敬礼しなければいけない相手は管制官しかいないみたいだった。
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「ずいぶん時間がかかったようだが」
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執務室に入り、めいいっぱいの声で敬礼すると管制官はそれを遮るように言った。道中、なにか言い訳を考えなければと思ってはいたものの、どう頑張っても管制官を納得させられるような賢い物言いは湧いてこなかった。
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「申し訳ありません。お昼寝をしていましたの。長旅のために体力を回復しなければ、と……」
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「ほう。リザ・エルマンノ臨時大尉も同じかね」
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「……さようでございますわ。私たちの能力を使っても夜明けまでかかる距離ですし、仮眠を一度しておいた方が効率的かと」
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「……ふむ。まあいい」
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息を潜めたまま安堵のため息を吐くのはとても難しかった。冗談ではなく、無断で魔法を行使したことも、戦闘したことも、ベルギーに行っていたこともばれてはいけない。
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「いずれにせよ、速やかに作戦行動に入ってもらう。地図で示された場所はソ連軍が侵入してきている領域でもある。くれぐれもやつらに施設を占領されぬよう、徹底的に破壊せよ」
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「はっ」
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リザちゃんが先んじて命令に応じる中、私は出し抜けに質問を繰り出した。
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「ソ連兵……ポーランドに来ているんですか?」
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今年の夏に入りかけた頃、管制官はフューラーが軍隊を一休みさせているとおっしゃっていた。どうやら、ソ連兵も手強くて一筋縄ではいかないみたい。でも、今は十一月。これだけたっぷりと休めたのなら、今頃モスクワに鉤十字が掲げられていてもおかしくない。ポーランドにソ連兵が迫ってきているという話はにわかに信じがたかった。
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「やつらは虫みたいな連中だ。後から後から、うじゃうじゃと湧いてくるから手がつけられない」
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いつになく声を震わせ、硬質さに翳りを見せる管制官の姿はいつもと違って映った。
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「でも我々の軍隊なら虫なんてへっちゃらに違いませんわ」
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私が声を張り上げると、管制官も自信を取り戻してくれたのか力強く答えた。
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「もちろん、そうだとも。我々がこの地を支配することは神に約束されているのだから」
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滑走路に向かう道すがら、珍しく管制官が相伴を名乗り出てきて一緒に寒空に身を晒した。普段なら執務室で行われる許可が、静かな滑走路の上で行われる。
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「私、アルベルト・ウェーバーSS特別管制官大佐の権限により、魔法能力の発動を許可する」
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出撃の直前、ふと、私は外套のポケットにしまいこんだままの手紙を思い出した。あわててポケットから取り出して、目の前の管制官に差し出した。
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「あの、ごめんなさい。もしお手数でなければ、父への手紙をどうか送っておいてもらえませんか。ポーランドからだと、届きそうにありません」
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相手がしばらく無言だったのでおずおずと引っ込めかけたその手を、革手袋をはめた大きな手のひらが包み込んだ。ふふっ、と穏やかな笑い声も聞こえたので、私はようやく安心することができた。
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「喜んで預かろう。実は、私からも贈り物がある」
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手紙を差し出した方と互い違いの手で受け取ったものは、かすかに甘い匂いがして固い、そう、チョコレートだった。
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「これ、もしかして……!」
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「そう、前に約束したベルギーチョコレートだ。なかなか手配させるのが難しくてね。本当は箱いっぱいあげたいのだが、他の兵士にも配ってやらないといけなくてね」
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「いえ、私にはもったいないくらいです。本当にありがとうございます」
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チョコレートを握り潰しかねない勢いで固く掴みとってから、深々とお辞儀をした。
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「きっとおいしいはずだ。なんでもノイハウスとかいう老舗らしい……」
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「ノイ、ハウス?」
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「おや、聞き覚えがあるかね? さすがチョコレート博士だな」
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「いえ……そんな……」
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聞き間違いでなければ、ブリュッセルにあるあのお店と同じ名前だった。あの時、お財布の中身を全部うっちゃってでも手に入れようとしたものが、今や文字通り私の手の中にある。ひとりでに身体が浮くほど喜んでいいはずなのに、頭の中がなんだかもやもやしてすっきりしなかった。
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お店には誰もいなかった。これを”手配”した人は、どうやってそんなにたくさんのチョコレートを買えたのだろう?
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「リザ・エルマンノ、出撃します」
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リザちゃんの張り上げた声でまとまりのない疑問から現実に引き戻された。一旦、チョコレートはポケットに収めて、私も威勢よく声をあげる。
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「マーリア・クレッセン、出撃します」
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光の源が地面を跳ねのけると、たちまち管制官を模した輪郭は白点と化して真下に沈んでいった。
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