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title: "自転車環境改善Ⅱ"
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date: 2024-01-06T20:27:18+09:00
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draft: true
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tags: ['diary']
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どうやら三が日は連日強風続きだったらしい。買い物に繰り出そうとして駐輪場に向かったところ、自転車の群れが横薙ぎにばたばたと倒されていた。途中、何人かが隙間から自分の自転車を取り出そうとして無理をしたのか、辺りは中途半端に放り出された車体も辺りに散らばっていた。まったく不幸なことに、そのうちの一台が僕の自転車である。
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![](/img/236.jpg)
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お分かり頂けるだろうか。リムブレーキの金具からブレーキケーブルがちぎれてしまっている。長さが足りないので単純に嵌め直しても機能しないだろう。ならばとブレーキケーブルを新調したところで、さらなる異変に気がついた。この角度では判らないと思われるので後日わざわざ写真を撮り直した。
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![](/img/237.jpg)
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ズームアップ。留め具部分の金属が歪んでしまっている。これではブレーキケーブルだけを新しくしても無意味だ。強風で将棋倒しになった拍子に壊れたのか、はたまた誰かが僕の自転車を放り投げた時にそうなったのか、責任追及の余地は十分にありそうな気配がする。
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というのも、僕が機械に疎い人間であったらブレーキの故障自体に気づかなかった可能性も考えられる。となれば、いつも通りにどこかへと出かけていって、いよいよブレーキの機能不全を悟るのは転倒してコンクリートにすり下ろされる数秒前だ。やむをえない理由でも人の自転車を動かす際にはもっと危機感を持ってほしい。
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だが新年早々犯人探しをやって揉め事を起こしたくはない。たらればの話は脇に置いて今回は整備力向上の機会を得たと前向きに捉えておく。重要な部品の一つであるブレーキを自力で修理できればもはや怖いものはない。折しも今は正月休みで時間はたっぷりと用意されている。
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さしあたってはリムブレーキ本体を買わなければならない。いかほどの価格かと少々懸念したが2000円足らずで手に入った。フロント用とリア用に分かれているのは単純にブレーキシューの初期配置が異なるだけで、中身はまったく同じ商品だという。早くも刻印が消えかかっているTONEの携帯工具を片手に寒空へと繰り出す。
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![](/img/238.jpg)
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じきに立派な工具を買うつもりでいるが今はこれで特に困っていない。本体そのものが支えになって普通のドライバー以上のトルクを効かせられるところが意外な特長だ。しかしそれにしても、外は寒かった。無辜の自転車を大勢葬った強風はこの日も盛んに吹いていた。
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風が強いとなにが困るのかというと、取り外したネジがあちこちに吹き飛んでしまう。咄嗟に持ち寄っていたトレイを逆さにして覆いを作っても、それもろとも石畳の地面をガリガリと滑っていく。代えのネジなど存在しないので雄叫びをあげながらトレイを追いかけると、続けざまに吹きつけた突風が今度は自転車をなぎ倒す。自転車を起こしている間にまたぞろトレイが滑る。
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この状況でさほど苛つかずに修理を続行できたのは、ひとえに長期の正月休みがもたらしめた心の平穏によるところが大きい。現代人のメンタルを安定させる三大要素は健康、金、そして休暇に他ならない。強風のやつにはだいぶしてやられたが、仕組みさえ把握すればリムブレーキの修理はそう難しくはなかった。
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![](/img/239.jpg)
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ジャーン。部品が一つ真新しくなっただけでずいぶんグレードアップされた雰囲気になった。手元でレバーを操作してブレーキの効き具合をしっかり確かめたとはいえ、やはり不安なので近所のコンビニまで試しに漕いでいった。なお、問題なく機能したものの僕はコンビニで買い物をする人間ではなかったため、そのままとんぼ帰りする羽目と相成った。
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今回の出来事は確かに不運ではあったが、整備経験を再び積んだことによって自転車への愛着がますます満たされた。いつかより高級なロードバイクに買い替える時が来るとしても、それはそれとしてこの自転車の使い道は別途考えるつもりでいる。
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