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@ -7,7 +7,7 @@ tags: ['diary']
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先日、三十路を過ぎた身でピアス穴を開けた。ぶすり。いや、ぶすりという感じではなかった。**バチンッ**という音に近かった。耳に穴を開ける道具はパンチ穴を開ける機械と構造が似ている。というより、対象が紙か皮膚かの違いだけで仕組みはほぼ同じなのではないか。ともあれ、そのようにして僕の耳たぶに穴が穿たれたのだった。
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こういう経験は学生のうちに済ませておけば話が早かったのかもしれないが、その頃はそうした事柄にさほど関心を抱けなかった。むしろ、どうしてわざわざ痛い思いをしてまで着飾る必要があるのか、と訝しんでいたほどだ。しかし歳をとり相応に視野が広がってくるにつれ、ピアッシングが装飾を拡張する実用的な手段だということに気づいたのである。
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こういう経験は学生のうちに済ませておけば話が早かったのかもしれないが、その頃はそうした事柄にさほど関心を抱けなかった。むしろ、どうしてわざわざ痛い思いをしてまで着飾る必要があるのか、と訝しんでいたほどだ。しかし歳をとり相応に視野が広がってくるにつれ、遅まきながらピアッシングが装飾を拡張する実用的な手段だということに気づいたのである。
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いわばファッションのための拡張機構、ファッション・スロットとでも表現できる。人はみな、大抵服を着る――なにを着るかは別としてもとりあえずなにかは着る――着衣が前提の社会において被服の文脈は極限に透明化されてしまい、必ずしも当人のアイデンティティを強く代表するものとはかぎらなくなった。
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