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title: "少女(可憐)"
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date: 2025-01-20T16:45:50+09:00
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draft: true
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先週末、ちょっとした思いつきから「ルイーズ・ブルジョワ展」に行ってきた。かなり刺激的な内容ながら人気を博しているということで、前提知識を備えていなくても等身大の楽しみを得られるのではないかと期待した次第である。結論から言うと、この目論見は大いに当たった。
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本展のテーマは非常に明快で分かりやすかった。広報やメディア向けに押し出されている展示物が蜘蛛の立体彫像なのはキャッチーさを重視しての判断と思われるが、子を慈しむ母性とその裏に潜む暴力性を描き出すという題目の上ではかえって抽象的すぎたきらいも否めない。
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美術展内ではルイーズ・ブルジョワ本人の人生を概ね辿るようにして、幼少期の葛藤を映し出したものから性的なモチーフを持つ暴露的なものへと変化していく。制作年順ではなく加齢に伴う認識の変化を意識するように展示されているのはこの種の作風の個展にはふさわしいと感じた。つまり、人生そのものを作品に込めるタイプの作家だ。
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たとえば曲がり角を進んで最初の広間では、母親の胴体を抱きしめる子どもの彫像が中央に展示されている。豊かな乳房や身体の稜線が巧みに造形されているその像は確かに幼子を持つ若い母を意識させる一方、頭部も下半身も備わっていない。欠け落ちた身体の様々なパーツは、必ずしも女性性を意識させない姿かたちで胴体を取り囲むようにして展示されている。
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その中でとりわけ関心を惹いたのは、膨れた臀部を表した彫像だ。他の作品には身体の部位と対応する名称が振られているのに、これだけは「無題」とされている。僕の見立てては中央の胴体が純粋の母性を表現しており、子にとっては脅威となる母の性的な部分を切除して脇に追いやることにより、幼児の徹底された母性への執着を描いたのではないかと思う。
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