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Rikuoh Tsujitani 2025-02-09 17:55:10 +09:00
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一方、この”ファッション・スロット”は今も昔も一定の文脈を負う。物理的に穴を穿つ過程が否が応でも個人の意思を表明せしめる。管理的な環境でしばしばピアスが染髪と並んで不良の代名詞とされているのは、おのずと醸し出される主張性が統制を乱す因子となりうるからだろう。翻せば、ファッション上の差別化を図る意味合いでは非常に効果的な手段と言える。
幸いにも、今の僕は就業規則の緩い職場にいるおかげでこの拡張機構を有効化できる。折しも、ショートヘアにした際に童顔がやや悪目立ちする傾向を払拭できないか検討していた経緯もあり、ピアスの装着は有力な対策に思われた。近場のクリニックが手頃な料金体系だったので、開けると決めた後は行動も手短に済んだ。
幸いにも、今の僕は就業規則の緩い職場にいるおかげでこの拡張機構を有効化できる。折しも、ショートヘアにした際に童顔がやや悪目立ちする傾向を払拭できないか検討していた経緯もあり、ピアスの装着は有力に思われた。近場のクリニックが手頃な料金体系だったので、開けると決めた後は行動も手短に済んだ。
しかしいざ施術の段となり、ピアスガンを持った看護師に耳たぶのどこに開けたいか問われると少々戸惑った。耳の軟骨の部分や、鼻や舌など他の部位にも穴が開けられるのは知っていたが、耳たぶ一つの中にも多くの選択肢があるらしい。わずか数cmの穴の位置の違いでそれぞれ文脈が変わる。このような極小の世界観の豊かさについて知悉したいと常々願っている。