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そんなだいぶ不気味な文脈が伝わったのか、あるいは運良く本当に需要が合致したのか「ではご飯を食べに行くので売り子をお願いします」と返事が来た。かくして僕は東大卒でも学生でも購入者でもないのに会場に居座る権利を賜った。マジでありがとう。中年男性はすべてに理由が必要なんだ。
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座席に座ると次々に人が寄ってきた。ほとんどはブログの読者かSNSのFFだ。実のところアイコンとハンドルネームは知っていても面識はなかったので、東大の学園祭というデカ・イベントは互いの顔面情報を共有するにはうってつけだった。一通りの自己紹介が済むと、以降はひたすら人力販売機と化して本を売り続けた。
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座席に座ると次々に人が寄ってきた。ほとんどはブログの読者かSNSのFFだ。実のところアイコンとハンドルネームは知っていても面識はなかったので、東大の学園祭というデカ・イベントは互いの顔面情報を共有するにはうってつけだった。一通りの自己紹介が済むと、以降はひたすら人力販売機と化して本を売り続けた。本、売りまくりである。
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ところで、同人誌への寄稿はかつて幾度となくやっていても売り子をするのは今回が初めてだ。当時は専門分野に徹するのがクールだと思っていた。しかし、いざやってみると大いに楽しい。なにしろ、自分の作品が載っている本が目の前で売れていくのだ。新人賞に落ちるたび「君の作品は商品にはならないよ」と突きつけられていても、ここではちゃんと商品になっている。
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