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Rikuoh Tsujitani 2024-06-13 21:25:13 +09:00
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@ -33,9 +33,9 @@ tags: ['essay']
まあ、実際どうなのかと問われたら僕も大いに悩む。環境や運が7で自由意志が3くらいとも、あるいは82くらいとも考えられる。日常生活がうまくいっている時だけは比率を逆転させたい気持ちもかなりある。ただ、なんにせよ語り得ぬ話についての結論は極力先延ばし、後回しにする方針でいる。
僕たちは一人ひとり本を携えて生きている。そこには自分自身の事柄が書かれている。最初から最後まで通して読めるのは自分ひとりしかいない。どこで完結とするかも自分で決められる。いつでも書きたければ書けるし、一切書き加える気がないのなら早々に本を閉じて縛り、二度と開かないようにもできる。
僕たちは一人ひとり本を携えて生きている。そこには色々な事柄が書かれている。最初から最後まで通して読めるのは自分ひとりしかいない。どこで完結とするかも自分で決められる。なにか書きたければなんでも書けるし、逆に一切書き加える気がないのなら早々に本を閉じて縛り、二度と開かないようにもできる。
たとえばページに「自分の親には金がなく、自分をぶさいくに生み、性格も悪い」と書いてそこで終えれば、それはそれなりの本となる。同様に「自分は学歴も悪く、収入も低く、もう若くもない」と書けば、やはりそれなりの本だ。一方「しかし……」と書き足して話の続きを作ってもいい。もちろん、現実は現実に違いない。この本に書き足したからといって不遇な過去は変えられない。
たとえば親について「金がなく、自分をぶさいくに生み、性格も悪い」と書いてそこで終えれば、それはそれなりの本となる。同様に自分自身について「学歴も悪く、収入も低く、もう若くもない」と書けば、やはりそれなりの本だ。一方「しかし……」と書き足して話の続きを作ってもいい。もちろん、現実は現実に違いない。この本に書き足したからといって不遇な過去は変えられない。
それでも、自分の本に「しかし……」と書き足すのは本人にしかできない。この本を俗に「解釈」と呼ばれている。各々がどんな社会的立場に列せられるかは個人には決められないが、どんなつもりでいるかは勝手に想像できる。他の物事も客観的な傾向とは別に、僕たちは一人ひとり個別の解釈を持てる。