初稿完成

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Rikuoh Tsujitani 2024-10-23 17:34:55 +09:00
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title: "目と脳が一致しない30代のカラースキーム探し"
date: 2024-10-23T19:14:20+09:00
draft: true
tags: ["tech", "diary"]
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目が疲れてメガ疲れた。数年前、molokaiの輝きに眼球が敗北して他のカラースキームに乗り換えたのは未だ記憶に新しい。あの後、実は乱視がだいぶ回復していたり眼鏡を買い替えて視界が良くなったなどの出来事があったものの、寄る年波には勝てないというのが正直な感想だ。
服とか道具とかにビビットな配色を選ぶのはなにも差し支えない。僕の水筒はピンクだし、弁当箱もピンクだし、布鞄の一つはオレンジだ。これらは時々しか目に入らないから脳の快楽が優先される。しかし、カラースキームはそうはいかない。
なにしろ毎日最低8時間、色付けされた文字列を見つめ続けなければならないのだ。モチベが保てるのはせいぜい午前中の間までが関の山。夕暮れには気を抜いた僕の目玉に輝く紫やらピンクやらオレンジの光線が容赦なく突き刺さる。あの頃は「もう28歳」とか言っていた僕も、気づけば31歳である。
となると、カラースキームを変えるのはシリアスな急務と言える。そんなわけで勤務時間にもかかわらず、[vimcolorschemes.com](https://vimcolorschemes.com/i/trending)を眺めていたらあっという間に時間が溶けた。というのも、ただぱっと見の印象が合っていれば良いわけではない。
僕の場合、ぱっと見の印象が良すぎるものは大抵目に合っていない。脳がビビットな色調を好みすぎているがゆえに、数時間経ってから眼球経由でクレームが入る。誠に遺憾ながら精神は肉体の牢獄である。肉体という名の衆議院に可決された法案は、われわれ精神という名の参議院には決して覆せないのだ。
Vim環境では、そのカラースキームが各プラグインに対応しているのかも重要となる。とりわけTree-sitterと連携できていないとハイライトがだいぶ物足りなくなる。他にもあれやこれや数え切れないほど多くのプラグインがあり、どれか一つでも対応していないとどこかのタイミングで色が変になってしまう。今時のカラースキーム製作者の苦労ときたら計り知れない。
本気で移行するならターミナルやデスクトップ環境の配色もぼちぼち合わせなければならない。こういう時にやたらカスタマイズ性の高いシステムを運用していると、好きに変えられるだけに変えないのがおのずと怠惰な文脈を帯びてしまい、誰にも強いられていないのにセルフでハードルが上がっていく。時には参議院の意見に圧されることもある。
さて、以上を踏まえてまず真っ先に思いつくのはかの有名な[gruvbox](https://github.com/sainnhe/gruvbox-material)だ。暖色系カラースキームの筆頭とも言える存在なだけに、ありとあらゆるソフトウェアに対応している。その気になればシステム丸ごとをgruvbox風に統一するのも不可能ではない。
久しぶりにこのテーマを試用してみて驚いたのは、こうした色合いに昔ほどの拒絶感がなくなったことだ。なんなら一周回ってーブルにさえ見える。とはいえ、しかし、いざ使ってみると僕にはまだ若干早すぎる感じが否めない。もうほんの少しだけ、ビビットさが欲しい。悩める30代。相反する価値観の板挟み。下からは守りに入った、上からは見通しが甘いと言われ……。
最終的に、夕暮れまでたっぷり時間を溶かして選んだのは[everforest-nvim](https://github.com/neanias/everforest-nvim)だ。色合いが緑に寄っているおかげで暖色系ながらも相応のビビットさを兼ね備えている。実は、本稿もこのテーマを適用してしたためている。文字が暗い生成りみたいな色で少々退屈だがそのぶん疲れにくい感じがする。
かくして目と脳の相反する立場を御しつつ、30代サラリーマンのカラースキーム選びが完了した。と言いつつも、前のカラースキームとgruvboxも一応インストールしておいてショートカットですぐ切り替えられるようにしておく。この玉虫色の立ち回りこそが魑魅魍魎が跋扈する社会で生き残る秘訣ってわけよ。

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