エピローグ前まで完成
All checks were successful
ci/woodpecker/push/woodpecker Pipeline was successful

This commit is contained in:
Rikuoh Tsujitani 2024-03-15 12:19:35 +09:00
parent 0558ca1c00
commit 52ebb50ff3

View file

@ -159,7 +159,7 @@ tags: ['novel']
---
<マリエン・クラッセおよびリザ・エルマンノ両名の第三等級魔法能力行使者に以下の辞令を告げる。本辞令を受領後、直ちに行動を開始されたし。>
<マリエン・クラッセおよびリザ・エルマンノ両名の魔法能力行使者に以下の辞令を告げる。本辞令を受領後、直ちに行動を開始されたし。>
■両名は現在の拠点を放棄し、速やかにベルリンの中央軍司令部に出頭すること。
■以降、両名は国防軍中央集団の下に再編され、東部戦線に配置される。
■これまでの功績を鑑み、本辞令の受領をもって両名を大尉に任命する。
@ -175,7 +175,7 @@ tags: ['novel']
 とはいうものの、目の見えない私と小物を拾うのが苦手なリザちゃんの引っ越し作業はだいぶ難航した。手に取ったものが分かるまで何秒もかかってしまう。しまいにはリザちゃんが「紅茶を淹れるわ」といって中座して、ラジオまでかけはじめたものだから完全に手が止まった。
 四角くてのっぺりとした手触りの国民受信機から、勇ましい軍歌と入れ替わりに宣伝省の録音演説が流れはじめる。かつて神聖ローマ帝国で外敵を払う役目を担っていたとされる魔法の使い手になぞらえて、ここでも魔法能力行使者は魔法戦士と呼称されている。ローマ帝国の後継者である我々にとってそれはとても正当なことに違いなかった。
 ただ、男子の魔法能力行使者が魔法戦士として高らかに称揚されるのに対して、少女はただの「魔法少女」と呼ばれているのが内心ではちょっぴり納得がいかなかった。
 どうして私たちは「戦士」と呼ばれないのだろう? 魔法能力の等級は性別とは関係ないはずなのに。
 どうして私たちは「戦士」と呼ばれないのだろう? 魔法能力は性別とは関係ないはずなのに。
 そんな考え事をしているうちに厳かな調べに包まれたゲッベルス宣伝大臣の演説(ライヒの空を守る魔法戦士たち)がつつがなく終わり、ラジオ放送の内容はまた軍歌に切り替わった。
 とはいえ、大臣の演説はいつ聴いてもすばらしい。どんなお姿をしているのか私には分からないけど、きっとその美声にたがわぬ模範的アーリア民族らしい見た目を備えているのだろう。
 お砂糖の入った紅茶をたっぷり二杯も呑んだおかげか、その後の作業はそれなりに進んだ。途中、タイプライタを持っていくかどうかで散々揉めたが――戦場にタイプライターなんて!――だって、お父さんにお手紙を書くんだもん!――最終的には携行を認めてくれた。ずいぶん大荷物になってしまったが、全然へっちゃらだ。
@ -183,6 +183,9 @@ tags: ['novel']
 替えのドレスもたくさん詰めた。私の目には映らなくてもお洋服って着ているだけで楽しい。
 収容所では毎日同じ服を着せられていたから、あの運命の日にも「ご褒美をあげよう」と言われた時に「きれいなお洋服を着たい」と即答したのだった。以来、私の戦闘服はフリルの着いたオーバードレスということになった。
 そして最後に取り出しやすい位置にチョコレートを入れた。こうして出来上がった大きな旅行鞄と、タイプライターが収まった鞄を持つといかにも旅行気分が高まってくる。
「ねえ、そんなにあるんならチョコレート一個ちょうだい」
「やだ、私がもらったんだもの」
「なによ、ケチ」
 歩幅を揃えて部屋に戻った私は、ドアを開けて前に三歩、左に二歩動いて壁にかかっていたポシェットを手に取る。この中に私のお財布と身分証明証が入っている。すぐ下の杖も忘れずに持っていかなくちゃならない。地面は障害物でいっぱいだから。
 右に二歩、後ろに三歩後ずさって扉を閉めた。せっかく部屋の間取りを覚えたのに、たぶんここには戻ってこられないだろう。この家も、前の家も、その前の家も、元は別の人の持ち主がいたらしい。その人たちはいまどこに住んでいるのかしら。
 大荷物を抱えてリザちゃんと家から出た後、なんとなく私はそれのある方向に一礼した。
@ -391,7 +394,7 @@ tags: ['novel']
 焚き火が爆ぜる音の向こう側でコーヒーをすする音がした。私と違ってずいぶん慣れた感じだった。
「そのうち慣れるわよ。ちゃんと飲みなさい」
 ぴしゃりと命令口調で言われて、リザちゃんはやっぱり威張りんぼだと思った。
 しかし、あっさり飲み干した彼女とは対照的に私のコップはいつまでも空かなかった。ちまちまと飲んでいるうちにどんどんコーヒーは冷めていき、ますます苦味が強く際立つ。そうなると、ますます飲み進められない。
 しかし、ぐいぐいと飲み進める彼女とは対照的に私のコップはいつまでも空かなかった。ちまちまと飲んでいるうちにどんどんコーヒーは冷めていき、ますます苦味が強く際立つ。そうなると、ますます飲み進められない。
 私は必死にコーヒーと闘争するための戦意を振り絞り続けた。さもなければ一向に軽くならないコップを両手で握りしめる気力を失いかねなかった。いっそ落としたふりをして地面に飲ませようかな、などと考えたりもした。
 とうとう呆れたのかリザちゃんは打開策を提案した。
「コーヒーってチョコレートと一緒に飲むと美味しいんだって」
@ -401,6 +404,10 @@ tags: ['novel']
 チョコレートの食べ時を諦めざるをえないくらい、コーヒーは苦い。
 意を決していそいそと外套の奥底をまさぐり、できるだけ小さいチョコレートの包みを取り出す。口に含んで訪れた幸福を味わうのもそこそこに、救いがたき苦味をざっと流し込んでやる。
 確かに、鋭い苦味が甘さに包まれて幾分和らいだようだった。もう一個、またなるべく小さいのを取り出して入れ違いにコーヒーを含む。後味が不思議にすっきりとして、案外悪くない。
「どう?」
「まあまあかな」
「私も試そうかしら」
「ダメ」
 気づけばコップの中身はあっという間に空になっていた。
 その日、眠りにつくまでの数時間、私はちょっぴり大人になった気がした。
@ -801,7 +808,7 @@ tags: ['novel']
 かすかな期待を込めて問うも、人影はふらふらと揺れ動いた。「いや」声の調子はいつもと変わりがなかった。
「とりあえずはニュルンベルグに連行することになっているが、その先はどこだか分からんよ」
「ニュルンベルグ――? あの、失礼ながら、私、ミュンヘンにしか住んだことがなくて――どうしてニュルベルグなのですか?」
「君は裁判にかけられるんだ。極秘のね。判決はもう決まっている。死刑だ」
「君は裁判にかけられるんだ。判決はもう決まっている。死刑だ」
 いつもは耳から脳に淀みなく伝わる管制官のお言葉が、今回に限ってはいまいち呑み込めなかった。機銃に撃たれて朦朧としているせいもあったが、一つ一つの単語が私の認識を脅かしているように感じられたからだ。
 まずもって、明らかにしておかないといけないことがある。私は慎重に口を開いた。
「あの、管制官……私たち、勝ったんですよね? イギリスに、アメリカに、ソ連に」
@ -828,22 +835,23 @@ tags: ['novel']
「それは……謹んで申し上げますと、どなたかとお間違いになられていますわ。私のお父さんは、ヘルゲ・クラッセは、小さい私の――」
「――手を取って、地図の上をなぞり、ミュンヘンの街並みを教えてくれた。そうだろ?」
「え?」
「最後はマリエン広場にたどり着くと終わる。なぜなら君の名前の由来だからだ。知らないわけがない。俺が考えたエピソードの一つだからな。”管理番号四七、クラッセ家の物語”だ。番号の通り、他にも色々なバリエーションがある。いいかね、君は捨て子だ。親はいない。混血児で、障害者で、国家のお荷物だった。それをこの俺が使い物になるようにしてやったんだ」
 言い表しようのない脱力感が全身を襲った。機銃で打ちのめされるよりもよっぽど身体が痛かった。
「最後はマリエン広場にたどり着くと終わる。なぜなら君の名前の由来だからだ。知らないわけがない。俺が考えたエピソードの一つだからな。”管理番号七、クラッセ家の物語”だ。番号の通り、他にもバリエーションがある。ところどころ設定が被っているがね。君たちはどこかの裏路地から当局に「セッシュウ」されてきた。当時、君も何度かこの言葉を聞いていたはずだ。だから再洗脳が必要だった」
 言い表しようのない脱力感が全身を襲った。機銃で打ちのめされるよりもよっぽど身体が痛かった。管制官の掃射はなおも容赦なく続いた。
「いいか、君は捨て子だ。親はいない。混血児で、障害者で、国家のお荷物だった。それをこの俺が使い物になるようにしてやったんだ。いずれ連中も思い知るだろう。そういう出来損ないどもが大手を振って蔓延る世の中になったらどうなるか。確かに戦争には負けたが、我々の思想は永久不滅だ。十年後でも、たとえ百年後でも蘇ってみせる」
「私、私は……アーリア民族では、なかったのですか」
 管制官は最後まで呆れた口調を崩さなかった。
「君のような薄汚い肌のアーリア民族がいてたまるか。鏡を見たまえ――と言いたいところだが、そう、君は目がろくに見えなかったな。不幸というべきか、逆に、幸福というべきか」
 管制官は最後まで呆れた口調を崩さなかった。一足す一は二である、とでも言いたげにごく淡々と告げる。
「君のような薄汚い肌のアーリア民族がいてたまるか。鏡を見たまえ――と言いたいところだが、そう、君は目がろくに見えなかったな。不幸というべきか、逆に、幸福というべきか。せっかく髪だけはアーリア人っぽく染めてやったのにな
 兵士たちの足音が遠くから迫ってくる。二つ並んだ人影の間には別の輪郭が抱え込まれている。
「リザ大尉かね」
 管制官が尋ねるも、答えたのは兵士の方だった。
すいません、抵抗されたので措置を施しました」
申し訳ありません、抵抗されたので措置を施しました」
「おいおい、殺しちゃいないだろうな、頼むよ。俺の亡命がかかってるんだ」
 彼女が視界の端に消えると、しばらくして戻ってきた兵士たちが今度は私を担ぎ上げる。
「リザ大尉はどうなるのですか」
 これにも、管制官の回答は淀みない。
「君と同じだよ。死刑だ。だが気にするな。色々と罪状は並べ立てても、結局は政治闘争なのさ。連中――イギリス、アメリカ、フランスはもうとっくに、ソ連と対決する未来を思い描いている。君だって一度か二度は見たんじゃないのかね、ソ連が作った魔法戦士を」
 あの季節外れの吹雪が吹いた日、気が狂ったように暴走した捕虜の一人。彼の人間離れたした仕業の数々は明らかに魔法能力の一端を示していた。
「共産主義は唯物論だからな。あまり神秘だとか呪いだとかが根底にあるものは重用したくないんだろう。とはいえ、そうも言っていられないだろうよ。じきにどの大国も必ず魔法能力行使者を戦力として保持するようになる。それと同時に、敵の魔法能力者を殺す兵器も実験しなくちゃならん。俺の今の仕事は、ソ連に奪われる前にその研究材料を連中にくれてやることだ。君たちごとね」
「共産主義は唯物論だからな。あまり神秘だとか呪いだとかが根底にあるものは重用したくないんだろう。とはいえ、そうも言っていられないだろうよ。じきにどの大国も必ず魔法能力行使者を戦力として保持するようになる。それと同時に、敵の魔法能力者を殺す兵器も開発しなくちゃならん。俺の今の仕事は、ソ連に奪われる前にその研究材料を連中にくれてやることだ。君たちごとね」
 イギリス、アメリカ、フランス、ソ連、管制官、亡命。
 ニュルンベルグ、裁判、死刑。
 捨て子、障害者、混血児。
@ -854,6 +862,68 @@ tags: ['novel']
---
 一九四六年……何月何日かは分からない。なるべくなにも考えないようにしているけれど、目が覚めているのに考えないのは難しい。
 管制官の仰る通り、裁判はいつの間にか行われていつの間にか終わっていた。死刑判決は独居房越しに言い渡された。
 私の独居房はちょっと変わっている。人間一人がぎりぎり収まる箱のような作りで、全身を貫くいくつものワイヤーで全身が固定されている。
 そのワイヤーは注入管の役割も持っていて、時折、不定期に濃硫酸が流れ込んでくる。すると、せっかく治りかけている肉体が熱傷に侵されてたちどころに力が抜けていく。最初は泣き叫んで暴れたものだけど、しばらくするとなにも感じなくなった。連行されてから着の身着のままで、着替えもなければお風呂も入っていない。食事は点滴で与えられている。もう空腹感も忘れてしまった。
 道中で総統閣下、フューラーの自殺を知った。ゲッベルス大臣も亡くなられたそうだ。後継者にはデーニッツという人が就いたが、その政権も連行当日に解体されたという。つまり、今のドイツには国家が存在していないということになる。
 しかし、今の私にはどうでもよかった。ライヒも、ドイツも、お父さんも、私の居場所ではなかったのだから。
 だとしたら、私の本当の居場所はどこにあったのだろう?
 がたがたと独居房が揺れた。今日はずっと揺れ続けている。どうやら私は輸送されている途中らしい。行き先は分からない。
 イギリスもアメリカもソ連も私を受け入れてはくれない。どこかの裏路地にいた、目の見えない混血児など誰も欲しがらない。管制官が魔法戦士の研究を行っていなければそのまま飢え死にしていたに違いない。魔法能力を得て初めて、私は生きる価値を与えられたのだ。だからいっぱい敵を殺してきた。
 だとしたら、私は一体なんの罪によって殺されるのかしら? 平和を乱したと言われても、そもそも私は平穏無事な世の中では生きることが許されない。誰もが健康で、満ち足りていて、繁栄している社会に私のような出来損ないはお荷物でしかないからだ。
 それともあるいは、いつかはそういう社会ができるのだろうか。
 目が見えなくても、身体が欠けていても、みんなと同じように暮らせる社会が、この果てしない殺し合いの先に。
 ふ、と私の口が冷たい声を漏らした。いくら絵本が好きでもさすがに現実とおとぎ話の区別はつく。
 そんな社会は来ない。繁殖、生産、選別なくして強靭な国家は成り立たない。それは別に、私たちばかりが言っていることじゃない。イギリスも、アメリカも、フランスも、ソ連も、結局は同じことを言っている。
 突然、独居房の隙間から強風が流れ込んできた。ごうごうと吹きすさぶ冷たい空気の正体を見極めようとしているうちに、身体から重力が消失したのを感じた。今となっては懐かしい、魔法で急降下した時とよく似た感覚だ。私は今、独居房ごと空中に投げ出されている。
 数秒ほどの自由落下を経て地面に衝突すると、独居房は激しくひしゃげて壊れた。おのずと中のワイヤーも圧力に耐えきれずべきべきと折れ曲がり、私は全身の至るところに金属片を残したまま外に放り出された。
 久しぶりに嗅ぐ草木と土の匂いが私の鼻をくすぐる。私の気持ちをこれっぽっちも考慮しない暖かなお日様がさんさんと降り注いでいる。ほど近いところからは、波が海岸に寄せて返す音やカモメの鳴き声も聞こえてきた。どうやらここは孤島に相当する場所のようだった。
「誰か、誰かいるの?」
 後方で甲高い声がした。これもまた、ひどく懐かしい。一緒に戦った戦友であり、戦争犯罪の共犯者でもある。
「リザちゃん?」
「……マリエン?」
 すぐさま私の視界に人影が浮かび上がった。他の誰よりもはっきりと描き出される輪郭。もう大尉ではないリザ・エルマンノがそこにいた。
「無事だったのね」
 リザちゃんは脚を失ったままらしく、お互いの手と手が触れ合い、抱きしめ合うまでにはかなりの時間がかかった。
「無事じゃないよ、だってこれから処刑されるんだもの」
 オーク材の腕にこびりついた血なまぐさい匂いを嗅ぎながら耳元に囁くと、彼女は場違いに微笑んだ。
「お揃いね、私も死刑なの」
 私も笑った。
 しかしそれにしても、私たちをどうやって殺すのだろう。その気になれば濃硫酸の水槽に沈めるだけでも、砲弾をひたすら撃ち込むでも、肉体の修復が損傷に追いつかないほどに痛めつければ、いつかは死ぬんじゃないかと思う。わざわざこんな場所に運ぶ必要はない。
 なにか手がかりを探そうとして身じろぎをしていたら、外套のポケットになにかが入っていることに気がついた。はっ、として手を奥底まで探ると包みにくるまれたチョコレートが出てきた。他にはもう出てこなかった。最後の一個だ。
「チョコレートだ」
 そう言うと、リザちゃんが少し呆れた声を出した。
「あんたらしいわね、最後の晩餐がチョコレートなんて」
 包み紙を指先でほどきながら言い返す。
「いいよ。チョコレート好きだもん」
 それだけは嘘偽りのない真実だった。アーリア民族の神話も嘘、国家社会主義も嘘、第三帝国も嘘、私の出自も、お父さんも、大義も理念もなにもかも嘘だった。
 でも、チョコレートだけは本当に好きだ。
「ねえ、お願いがあるんだけど」
 遠慮がちにリザちゃんが言った。
「なあに」
「私にも一個ちょうだい」
 手のひらに残る、ころんとした幸せをしばし眺めた。
 最後の一個……。
「じゃあ、半分こしよっか」
 遠い空の彼方でかすか戦闘機の音が聞こえる。私の知らない機体だ。
 小指の先に力を込めると、爪の先に数ミリほど、魔法の刃がせり出てきた。笑ってしまうようなか細い能力だけど、今の私たちにはこれ以上のものは必要なかった。それを慎重にチョコレートに近づけるときれいに半分になった。片方をリザちゃんに手渡す。
「……おいしい」
 私もさっそく食べる。
 少しごわごわとした食感になっていたけれど、たちまち口の中が豊かな甘味で満たされた。血の味以外のなにかを感じるのは本当に久しぶりだった。
「おいしいね」
 私の耳が戦闘機から落ちてくるなにか捉えた。砲弾よりも、地雷よりも、ミサイルよりも、ずっとずっと大きくて重いなにかが、私たちに向かって降り注ごうとしている。リザちゃんが気づくほど大きい音ではない。けれど、私には分かる。
 口の中の幸福を二で味わいながら、私はようやく自分の役目をまっとうしたことを悟った。
 幸せは、分けっこできるんだ。
 たとえ光が見えなくても。
---