9話から

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Rikuoh Tsujitani 2024-08-31 23:28:31 +09:00
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@ -280,29 +280,81 @@ HID6が大きな平屋建ての前で止まった時、ようやく安堵の気
「おれはずっとA評価しか取ったことがなくてね」 「おれはずっとA評価しか取ったことがなくてね」
帰りの道のりは非常に快適だった。なぜなら殺したイエローたちは電気で動く二人乗りのバイクを近くに隠していて、それに乗って帰ったからだ。僕の本心を見透かしていてなおHID6は後部座席に座る僕に、エンジンの駆動音や風切り音に負けない大きい声で呼びかける。 帰りの道のりは非常に快適だった。なぜなら殺したイエローたちは電気で動く二人乗りのバイクを近くに隠していて、それに乗って帰ったからだ。僕の本心を見透かしていてなおHID6は後部座席に座る僕に、エンジンの駆動音や風切り音に負けない大きい声で呼びかける。
「こんなものおれたちは持っていねえ! そうだろ!? だが他社の連中は持ってる! おれたちが持っていない良いものを連中は持ってる! これでおれたちが勝ってると思うか!? ええ? 殺さずに勝てると思うか!?」 「こんなものおれたちは持っていねえ! そうだろ!? だが他社の連中は持ってる! おれたちが持っていない良いものを連中は持ってる! これでおれたちが勝ってると思うか!? ええ? 殺さずに勝てると思うか!?」
僕はただひたすら無言の抵抗を貫くほかなかった。時速百キロメートルで前から後ろへと高速で流れ去っていく風景、彼方まで広がる乳白色の塩の地平線、そのどれもがひどく味気なく感じられた。 僕はひたすら無言の抵抗を貫くほかなかった。時速百キロメートルで前から後ろへと高速で流れ去っていく風景、彼方まで広がる乳白色の塩の地平線、そのどれもがひどく味気なく感じられた。
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帰還後、HID6はタングステンと共に追加の「成果物」ーー殺したイエローたちの生首と作業着の一部だーーを部屋のダッシュボードに投げ込んだ。まだ血に濡れたそれらは容器の中をどす黒い血液で汚したが、彼はまるで構わず、勤務評価さえ聞かずにチェンバー室の方へと帰っていった。聞かずとも評価は確定しているとでも言いたげの様子だった。 成果物を走査するダッシュボードの中にタングステンと血みどろの生首が投げ込まれて以来、僕はあっさりこの種の仕事から手を引いた。もともと適性なんてなかったのだ。モクロスクリーンに踊るA評価の文字を一瞥してさっさとチェンバー室に戻っていったHID6をよそに、いつまでも色褪せたリリウムの床に滴る血痕を眺めていた。率直に配置転換の希望を告げると彼女はむしろ安堵した様子だった。
事実、若干遅れて点灯したモクロディスプレイには初のA評価が高らかに示された。立体映像の彼女もさっそく部屋の中央に現れて「初めてのA評価ですね、おめでとうございます」と律儀にお祝いの言葉をかけてくれた。でも僕は「ちっとも嬉しくないな」とそっぽを向いた。同僚へのかつてない嫌悪感が半分、彼女へのあてつけがもう半分を占めている。 ロッカーには金属製の背嚢が残ったままだったが、もう二度と使うことはない。中から便利そうな道具だけ拝借して、手に取るのはいつもの軽くて柔らかい背嚢だ。あれから何回かまた冷凍と解凍を経て、土と塩をいじる生活に逆戻りした。電気銃も持ち歩いていない。ブリーフィングで作図される地図の縮尺は小さく、競合他社と相まみえる危険性は非常に低い。それでももし出会ったら……荷物を全部差し出すか黙って撃たれる方を選ぶ。
「なんで僕に前もって教えてくれなかったんだ」 僕の人生設計は完全に崩壊した。人類はきっと滅ぶ。どこでボタンをかけ違えたのか分からないが、競合他社同士で別け隔てなく協力し合うのも難しいのだろう。シェルターの位置を中心に得られる資源の多寡や種類が定まり、おのずと生産できる成果物も決まっていく。どんなに条件を詰めても必ずどこかの会社が割りを食い、他社からの施しは後世に渡る不利を形成する。企業のステークホルダーはそんな不合理な契約を認めたりはしない。法人とはそういうものだ。
「すいません。適性分析の結果では、この種の情報開示に不向きだとーー」 太古の昔、我々は自然人と呼ばれる存在だった。法人格の一部に組み込まれる前――僕たちの判断は真に個人に委ねられていた。それが村を形成し、国家となり、より利益に先鋭的な企業組織の台頭が目覚ましくなると、個人的な意思決定の領分はますます縮小を余儀なくされた。そんな折に訪れた気象災害は法人の自滅的傾向をより鮮明に描き出したと言える。競争するために生まれた存在は競争によって死ぬしかないのである。
「適性なんて関係ないじゃないか! 君らはずっと僕たちに黙って人殺しをしていたんだ! 人類の復興が聞いて呆れるよ!」 乳白色の地面の上で塩を舐めることが増えた。自分のしている営為が無味乾燥ではないと確かめたがっているのかもしれない。頭の中で意味を感じられていないから、舌を通して味を感じている。今日も今日とて塩辛さは変わらない。
立体映像の女性が決まり悪そうにうつむいた。ただそれでも、自分たちのしていることが誤りだとは認識していない様子だった。 そんなふうだからか彫刻の出来栄えには自分でも首を傾げざるをえない。出来上がったものを見つめたり、くるくると回したり角度を変えてみても特になにか文脈を負っているようには感じられない。先の出来事が自分の人生観にショックを与えすぎてスランプに陥ってしまったのだ。
「言いたいことは解ります。しかしながら、地上進出後のリソースはたいへん限られています。リソースの配分において永続的なイニチアシヴを握り、よりよく次世代の人類をリードすることこそが我が社の方針なのです」 今回もまた、思うままに刻んだ形容しがたい塩の塊を地平線の彼方に向かって投げ捨てた。塊はほど近い地点に着地して乳白色の地面をつるつると滑っていった。
「みんなそうしたいんだから、誰も譲らなければ絶滅しかない」 やりきれない気持ちを抱えながら帰途に着くと、遠くに人影が見えた。あの時以来、同僚と分かっていてもなにか動くものを捉えたら目で追う癖がついている。背嚢から双眼鏡――金属製の方から拝借した――を取り出してよく覗くと、他ならぬ巨体の殺人者がそこにいた。HID6だ。シェルターとは反対方向に向かっている。仕事の途中だろうか。
彼女はいつも礼儀正しく慇懃に見えて実は強情だ。一転、顔をあげて僕を正面から見据えるとはきはきと告げた。 しかしそう考えるには不審な点があった。今は昼過ぎで、仕事を始めるには遅すぎる時間だ。かといって帰ってくるのは早すぎるし進行方向もおかしい。
「当社は常にあらゆる手段を用いて融和の道を模索してきました。しかしどの会社もそうとは限りません。シェルターが存在する位置関係で得られる資源の上限や種類が定まり、センサの情報密度も決定づけられます。すべてを平等にはできないどころか、その時々の環境において大きく差が開いてしまいます。どんな条件を持ち出しても誰かが損をします。だから、結局は競争しかありません。均衡が訪れるとしたらもっと後です。我々はいま、かつての人類史の始点からやり直しているのです」 ありえるとしたら夜勤<ナイトシフト>に配置転換された場合だが、だとしたら今度は逆に出勤が早すぎる。話を聞くかぎり彼らは夕暮れ以降に働いている。
僕はなにも言い返さなかった。ただ目をすぼめて彼女を見やる。きっとそれだけが理由ではないのだろう。今が本当に人類史の開闢なら、引き際を知らず戦い続ける族長は数の暴力で排除される。そして残った人間たち同士でけじめをつける。 棒立ちで注視している間に彼はゆっくりと遠ざかっていく。そういえば電気バイクも使っていない。あれほど便利な道具を使わないのは不合理だ。しかし数回の冷凍と解凍の間に何百年も経っていて電装系が風化した可能性も否めない。
しかし我々は違う。文明社会が遺したシステムの遺産が、少数による多数の制御を可能にしてしまった。情報体の株主はボタン一つで情報体の従業員を解雇、すなわち削除できる。肉体を持つ僕たちとてチェンバーによる寿命の維持と、食事から排泄に至るまで大きく依存している。システムが我々を標準入力インターフェイスとして使うように、我々もまたシステムなくしては存在できない。地上には塩と殺風景な風景しかない。 こうして思案しているとなぜたか胸のつかえがごまかされるような感じがした。おのずと足が前へと動き、やがてHID6の後を追う格好をとった。たぶん僕は、なんであれ彼の行いをもう一度目の当たりにして決着をつけなければならないのだろう。
彼女は必ずしも自説を述べているわけではない。自分の立場を表明しているのだ。それと同時に、僕の立場をも説明している。 いざ追ってみるとすぐに彼の行き先が変わっていることに気がついた。無価値の瓦礫の山ばかりでなにもない内陸部の方へと進んでいる。結果的に遮蔽物が多く、隠れながら進む手がかりを得たものの言葉に言い表せない違和感はますます強まった。あるいは、彼の「楽しみ」と関係しているのかもしれない。いずれにしても腹は決まっていた。
「もし、都合が悪ければ今からでも適性を修正することは可能です。無理してリスクを負う必要はありません」 彼の歩みは堂々たるもので一切迷いが感じられなかった。地質調査でもなければなんらかの資源を探しているといったふうでもない。予め目的地が決まっているようだった。それにしては歩幅や身のこなしから疲労を気にしている素振りはない。以前の出張のように日をまたぐ仕事ならどんな体力自慢であっても足取りは重くなる。彼ほどの恵体の持ち主なら尚更そうだ。
唯一の上司の口調が急に柔らかくなり、暗に配置転換を勧めてきた。 実際のところ、僕は半ば尾行が露見しても構わないつもりでいた。いざとなれば目的地の方角が同じだったとか、彫刻の材料を探していたとか、いくらでも言い訳は立つ。いくら遮蔽物が多いといっても半身も隠せればいい方だ。なにもない時もある。数百メートルの距離があるといっても見通しのよい終末の真っ平な世界で、気まぐれに振り向きでもされたら即座に発見されてしまう。もし目が合ったらこっちもたった今気づいたようなふりをして挨拶を交わすつもりだ。この際、過去のわだかまりはないものとして扱った方が望ましい。
「僕ではうまくやれないと?」 少なくとも、彼の不審な行動の理由がはっきりするまでは。
「そうではありません。ただ、無用な人的被害を避けるのにもっとも重要なのは勢力が拮抗していることです。あなたがこの種の仕事で積極的に役割を果たせなければ、すなわちそれは競合他社の進出を招く結果となります」 予想通り、双眼鏡の向こうの巨体は尾行開始から一時間ほどで止まり、瓦礫の山が特に積もった地点で辺りを見回しはじめた。すると、グレイの作業服を着た標準入力インターフェイスが二名、どこからか現れて接近してきた。意外にも彼は電気銃を手に持っていない。こんな状況で襲撃されたらひとたまりもない。
正直なところ、逡巡しなかったといえば嘘になる。血みどろの諍いを避け、自社の営業範囲のずっと内側で安全な地質調査に従事する……。晴れの日にはいつものように澄み渡る乳白色の地平線の上で彫刻を作り、ひとりささやかな楽しみに浸る……。 不本意ではあるが、僕は遮蔽物から遮蔽物に移動を重ねて彼らのすぐ近くまでにじり寄った。距離にして三〇メートルもない。双眼鏡がなくてもお互いが見える距離だ。いざとなったら武装しているふりをして牽制しなければならない。殺人者とはいえ有力な人材を競合他社に潰されるわけにはいかない。
でも、僕は知ってしまった。知ってしまった後で知る前に戻るにはあと何百回も冷凍と解凍を繰り返さなければならない。たとえ塩に囲まれて暮らしていてもそんな無味乾燥の日々には耐えられない。一度余分に知ってしまったら知り続けるほか道はないのだ。 ところが、彼らの応対はあたかも親しみさえにじみ出るほどこなれたもので物騒な気配は一切しなかった。案外、彼も人殺し一辺倒というわけではないらしい。金属製の背嚢を下ろしてやり取りもしている。今は電気銃を見せてなにかを教えているようだ。武器と交換したくなるほど価値の高い資源をもらえるのだろうか。
ひゅっと甲高い音がして、自分の真横を運動エネルギーの塊が通過していった。瓦礫の壁が砕けて砂塵が舞う。あげかけた悲鳴を喉元で抑え込んだが、どのみち意味はなかったようだ。たぶん、彼は最初から気づいていたのだ。それどころか、ここについてくるように仕向けていた。
「おーい、坊主! 出てこいよ! いい話がある!」
牽制射撃で動きを封じておきながら、彼の声はぞっとするほど朗らかだった。それでも懸命に気取られまいと僕は物見遊山のふりをしてふらふらと近づいていく。
「なんだ分かっていたのかあ、実は挨拶しようと思ってたんだ、たまたま材料を探していて……」
「そうか、まあ久しぶりだな。見ての通り、こいつらは他社の標準入力インターフェイスだ」
こちらの言い分をまるで信じていない態度で彼は横に立つ人物を紹介した。抜け目ない狡猾そうな表情をした二人は口も利かずに黙って会釈をする。僕も努めて明るく返す。
「君、話し合いとかできたんだな。てっきり撃ち殺してばかりなのかと」
皮肉を交えて石を投じてやるも、HID6に気を払う様子はなかった。横の二人も平然としている。
「普通はな。昨日もやってきたばかりだ。背嚢に首が入ってる。見るか?」
「……それで、いい話というのは?」
口を開いたのはグレイの作業服を着た方だった。
「正直、我々にとって貴殿の介入は想定外なのだが……」
「いや、いいよ。おれが推薦する。こいつは成体未満だ」
無表情のまま渋る二人に対して彼が顎でしゃくると「確かに」ともう片方が納得した。
「成体じゃなかったからどうだっていうんだ」
「成体でなければ成長余力が見込まれる。つまり適性の修正幅が大きい」
グレイの一人が手短に説明した。これまでずっと他の標準入力インターフェイスより背が低く、膂力も小さく、肉体性能に劣っていることに気後れしていたが、視点を変えればそういう見方もできるらしい。
「じゃあおれとこいつが転職ってことでいいな」
「……いいだろう。シェルターの座標と武装の概要は把握した」
「転職? 転職ってなんだ」
また知らない単語が出てきた。もちろん地上に人類がいた頃の単語としては理解している。昔の社会には様々な職業があり、個人の希望と需要に合わせてそれを変えることができた。だが、今のご時世に標準入力インターフェイス以外の生き方が肉体を持つ者にあるとは思えない。
HID6は僕の背丈に合わせて少し屈み、噛んで含めるように言った。
「おれたちのシェルターはもう終わりだ。開発競争で負けているし、持っている情報量も少ない。おまけに便器はいつも糞まみれ。このまま所属していてもジリ貧だ。だから、転職する」
「え、それは、つまり――」
「我が社の標準入力インターフェイスに移り変わるということだ。代わりにシェルターの位置、セキュリティ、武装、施設内の構造について教えてもらった。近年中に襲撃する予定だ」
それは、つまり、産業スパイじゃないか。背任行為だ。
グレイの二人のうち片方が背嚢から電気銃を取り出した。口で言わなくても態度は伝わる。心なしか僕たちの武器よりも洗練されているように見えた。そこへ、巨体の彼が割って入る。
「悪いことは言わねえ、黙って首を縦に振れ。お前が土いじりを続けたいっていうんならしばらくは構わない。グレイの作業着を着てやればいい。どうせそのうち気が変わる。おれの目は確かだ」
「分かった、分かったよ。待遇が確かなら転職する。僕は会社にこだわりはない」
それ自体は、嘘ではなかった。遠い昔に死んだ両親が少数株主で、たまたま契約していたシェルターだったからという理由なくして僕がオレンジの作業着を着る意味はない。なにか一つでも前提条件が違えば、僕は喜んで今いる会社の全員を死に追いやっただろう。
しかし。
ただ僕は彼が許せなかった。巨体で親身な彼が喜んで人殺しをしていたこと、それでも会社の利益のためだと思い込もうとしていた信頼を再び裏切られたこと。そこに始末をつけることが僕にとっての最優先で、他の事柄は些事でしかなかった。
「念のために武器を押収したい。これからシェルターの付近まで同行してもらう。一応確かめておかなければ」
「こいつは武器を持たないやつなんだ」
「いや、彫刻を掘るためにナイフを持ち歩いている」
「たかがナイフだろ」
グレイの片方は首を振って手を突き出した。「ナイフも武器には違いない」僕は腰を落として背嚢を前に回し、ナイフを差し出した。代わりに受け取ったHID6が振り返ってグレイの片方に手渡す。
今の彼は隙だらけだ。
僕はすばやく背嚢から塩でできた鋭い彫刻を抜き取り、広々とした巨躯の肩に突き刺した。ところで、塩のモース硬度は二.〇以上もある。石膏より固い。尖った先端は筋肉の中に吸い込まれるように入り込んでいき、僕の手元に生々しい嫌な感触を残した。彼の野太い絶叫が辺りにこだまする。そうして抜き取った塩の塊を、痛みから膝をついた巨体の向こう側――グレイの片割れに向かってまっすぐ投げつけた。今度は刺さりはせず手にぶつかって落ちる。それでも電気銃を放り出させるには十分だった。
未発達な肉体に有利な点があるとすれば身軽なところだ。前に放り投げられた電気銃を前に踏み出して拾い上げると、ろくに照準も合わせずグレイの作業着に向かって発砲した。洗練された外見に相応しい洒落た音をたててエネルギーの弾丸が相手の胴を貫く。続けて、わずかに銃身を水平にずらしてもう片方も始末する。
なにも頭で考えてやってのけたわけではない。彼に塩の彫刻を刺してから先のことは行き当たりばったりだった。
「くっ、このガキ……」
振り返ると転職しそこねた同僚が肩を抑えて立ち上がっていた。今度こそ、逃げるしかない。
僕はありったけの力を込めて美しい作りの電気銃を瓦礫の山の遠方に打ち捨てた。直後、背嚢を手に取って脱兎のごとく駆け出す。走り出して少し経つと滑稽な雰囲気の銃声が背後から聞こえてきた。彼が自分の電気銃を撃っているのだろう。瓦礫の壁の間をすりぬけるように走ってやり過ごす。ほどなくして振り返ると、山のような巨体が必死で追いすがってくるのが見えた。
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