diff --git a/content/post/ルイーズ・ブルジョワ展に行ってきた.md b/content/post/ルイーズ・ブルジョワ展に行ってきた.md index e7f2d18..e59ad1f 100644 --- a/content/post/ルイーズ・ブルジョワ展に行ってきた.md +++ b/content/post/ルイーズ・ブルジョワ展に行ってきた.md @@ -45,7 +45,7 @@ tags: ['diary'] ルイーズ・ブルジョワは子どもの頃、支配的に振る舞う父親に抑圧されながら育ってきた。しかし、その一方で父は堅実な実業家でもあり家庭は裕福で衣食住には不自由していなかった。子に対する愛情が欠けていたわけではないどころか、むしろ彼女をソロボンヌ大学の数学科やパリ国立高等美術学校に進学させるなど惜しみない教育や支援を施している。それでも家に堂々と愛人を連れ込み、母をないがしろにして横柄に振る舞う父の姿に彼女は憎しみを抱いていたようだ。 -後年、彼女はフェミニズム運動に参画してそれに関連する作品群『ファム・メゾン(女・家)』を手がけている。多くの女性にとって家とは自らを守ってくれる強固な鎧であると同時に、自らをその地に縛りつける錘でもあるとの洞察は、憎しみつつも容易に離れがたい当時の家制度を見事に浮き彫りにしている。 +後年、彼女はフェミニズム運動に参画してそれに関連する作品群『ファム・メゾン(女・家)』を手がけている。多くの女性にとって家とは自らを守ってくれる強固な鎧であると同時に、自らをその地に縛りつける錘でもあるとの主張は、憎しみつつも容易に離れがたい当時の家制度を見事に浮き彫りにしている。 ![](/img/369.jpg) @@ -60,6 +60,6 @@ tags: ['diary'] ![](/img/372.jpg) -以上、2200円の観覧料は軽い気持ちで行くには安いとは言えないが、かくも充実した展示物の数々を踏まえれば十分割に合う内容だと感じた。気づいたら三時間近くも丹念にうろついてしまっていた。通常、畑違いの催し物にはどこか背伸びしている感覚が付きまとうものだが、本展はテーマが明瞭だったおかげもあって等身大の楽しみが得られた。 +以上、2200円の観覧料は軽い気持ちで行くには安いとは言えないが、かくも充実した展示物の数々を踏まえれば十分割に合う内容だと感じた。気づいたら三時間近くも丹念にうろついてしまっていた。通常、畑違いの催し物にはどこか背伸びしている感覚が付きまとうものだが、本展はテーマが明瞭だったおかげもあって等身大の洞察が得られた。 惜しむらくは本展が先週末で終了してしまっており、今さら他の人に教えても実物を観に行ってもらえないところだ。昨年の秋には開幕していたのだからもっと早く行っておけばせめて友人、知人くらいは誘い込めたのではないかとかなり真剣に後悔している。