diff --git a/content/post/mixi2(ツー)とか言っている場合ではない.md b/content/post/mixi2(ツー)とか言っている場合ではない.md index 81b01d2..f469160 100644 --- a/content/post/mixi2(ツー)とか言っている場合ではない.md +++ b/content/post/mixi2(ツー)とか言っている場合ではない.md @@ -22,7 +22,7 @@ SF小説のファンが集うコミュニティでは、自分が知らなかっ 匿名掲示板は気軽で後腐れがない代わりに持続性がない。話題ファーストで離散集合するぶんには好都合でも、人となりを勘案しながらなにかをじっくり語り合うには向かない。参入障壁が皆無で発言を自制するインセンティブもないため、必ずどこかで茶々が入って破綻をきたしてしまう。 -対して当時、無数に乱立していた個人サイトには往々にして広がりがない。主宰者と古参を上部構造に手堅くまとまってしまい、いつしか話題が堂々巡りに終始する。常に新しい人間が供給されるほど巨大なサイトなら別なのかもしれないが、それでさえ企業運営の巨大なプラットフォームがもたらす高速な新陳代謝には勝てなかった。 +片や当時、無数に乱立していた個人サイトには往々にして広がりがない。主宰者と古参を上部構造に手堅くまとまってしまい、いつしか話題が堂々巡りに終始する。常に新しい人間が供給されるほど巨大なサイトなら別なのかもしれないが、それでさえ企業運営の巨大なプラットフォームがもたらす高速な新陳代謝には勝てなかった。 3行以上の文章を書くと「チラシの裏にでも書いてろ」となじられる匿名掲示板や、どんなに頑張って書いても人気サイトでなけば壁に向かってつぶやいているに等しいブログと違い、ここには打てば響くものがあった。各々が書き記す日記でさえ、そこには親しき他人に見せる前提ゆえの工夫や技巧、等身大のポエミーさとでも呼ぶべき独特の気配が内包されていた。僕は先人たちのそんな真新しい仕草を熱心に吸収していった。