diff --git a/content/post/論評「ヒトラーのための虐殺会議」:流血なき血生臭さ.md b/content/post/論評「ヒトラーのための虐殺会議」:流血なき血生臭さ.md index 7e63cbd..a938aa1 100644 --- a/content/post/論評「ヒトラーのための虐殺会議」:流血なき血生臭さ.md +++ b/content/post/論評「ヒトラーのための虐殺会議」:流血なき血生臭さ.md @@ -28,7 +28,7 @@ tags: ['movie'] となると、やにわに現実的課題が立ちはだかる。1100万人ものユダヤ人を一箇所に集めるのはどだい不可能なので、各管轄で手分けして「解決」にあたらなければならない。ただでさえ戦時中で手が空きづらい輸送網を「最終的解決」のために幾度となく往復させる羽目となる。 -ただ送ればいいわけでもない。効率を考えるとなるべく一遍に大量輸送したいが、万が一意図を察知されて暴れられると脱走の危険性も出てくる。たかが輸送に貴重な兵力をあてがいたくはない。かといって反乱を恐れて小分けに運んでいては燃料と時間が無駄になる。 +単に送ればいいわけでもない。効率を考えるとなるべく一遍に大量輸送したいが、万が一意図を察知されて暴れられると脱走の危険性も出てくる。たかが輸送に貴重な兵力をあてがいたくはない。かといって反乱を恐れて小分けに運んでいては燃料と時間が無駄になる。 送られてきたら送られてきたで、今度は宿舎や食事の用意が欠かせない。数百、数千人単位で日夜送られてくるであろうユダヤ人を滞りなく「解決」できるはずもなく「解決」する寸前まではおとなしくしてもらわなければ手間がかかる。どうしても一時的に落ち着かせる場所がなくてはならない。建築資材、人夫、食料、警備……。