diff --git a/content/post/マンション自治会の小政治.md b/content/post/マンション自治会の小政治.md index 704b293..9cbad43 100644 --- a/content/post/マンション自治会の小政治.md +++ b/content/post/マンション自治会の小政治.md @@ -31,7 +31,7 @@ tags: ['diary', 'politics'] これにはY氏も怒り心頭、檄文の語気はいよいよ罵詈雑言の類と相成り、不正、弾劾、訴訟といった物々しい文言が紙面に踊り狂った。意見交換を兼ねた会合も催されていたらしく、Y氏と現体制の凄まじい言い争い――というよりはほぼ一方的な痛罵――を文字起こししたものが住民にも公表された。ここへきて、期待のニューリーダーと目されていたY氏の品性が露呈せしめられたのだ。 -今月末、自ら自治会を発足できないY氏に代わり、代議員による採決が行われる。Y氏を新自治会長とするか、あるいは現体制の任期を延長するか――言わずもがな、結果は見えている。Y氏には幾度となく公開演説の機会が与えられていたが「忙しい」と断ったきり、ついぞ我々の前に姿を晒すことはなかった。ただし、檄文だけは今なお勇猛果敢に郵便ポストへと入り続けている。 +今月末、自ら自治会を発足できないY氏に代わり、代議員による採決が行われる。Y氏を新自治会長とするか、あるいは現体制の任期を延長するか――言わずもがな、結果は見えている。Y氏には幾度となく公開演説の機会が与えられていたが「忙しい」と断ったきり、ついぞ我々の前に姿を晒すことはなかった。ただし、檄文だけは今なお勇猛果敢に郵便受けへと入り続けている。 むろん、現体制も決して理想的な運営を行ってきたわけではなかった。確かに自治会費は安くはない。効率も良いとは言えない。各種の行事にも意義があるのかどうかよく分からない。しかしながら、明らかに嫌々引き受けたであろう仕事を彼ら彼女らは、たとえ少数のニーズであっても規則に基づいて拾い上げ、これまで地道に対応してきたのである。僕にとってはどうでもよくても他の誰かにとってはきっと大切なのだろう。